ご無沙汰しております。皆様、お元気ですか?
いよいよ本格起ち上げに入りました。
ありがとうの種はこれまでのイベント出店型から常設出店型にシフトすべく、断続的に業界団体と交渉を重ねていました。
同時に組織の見直しも行い、事業スピードをあげる体制に整えてきました。
ありがとうの種は当事者意識・当事者主体によるコントロール下において、福祉的アプローチではなく、ビジネスアプローチから当事者問題の解決を目指す組織です。
ビジネスの基本は社会にどれだけ価値を提供出来るかですが、ここでは日本手話という言語的少数者として社会にどれだけ価値提供出来るかを意味します。
しかし、この道のりは平坦ではありませんでした。
一番の壁は資金調達です。
実はこの半年で複数の金融機関から門前払いされました。
私はいわゆる「聴覚障害者」です。
聴覚障害者が社会的価値を提供出来るのか?という空気の中で理解してもらうのは想像以上に困難を極めました。
もちろん、背景には聴覚障害者への偏見もありました。
現に遠回しですが「口のきける人を寄こしてくれないと理解することが出来ない」というような断られ方も経験しました。
その中、ありがとうの種の想いに賛同して手を挙げてくれた企業が現れました。
福祉ではなくビジネスでコラボしていく、すなわちありがとうの種は価値提供出来る存在と認めてくれたからこそ、フランチャイズ加入を承認してくれたのです。
このフランチャイズ加入が社会的に持つ意味は3点あります。
一つ目は聴者とビジネスでコラボするというロールモデルの提供です。
二つ目はスケールメリットを活かした社会的影響力・発信力であり、
最後の三つ目は当事者がイニシアチブをとれる職場の創出です。
特に最初の「聴者とビジネスでコラボ」という点はこれまでにない取り組みです。
今までは援助という形でのコラボはあってもビジネスという形(win-win関係)でのコラボはあまり例がありません。
聴覚障害者も聴者に価値メリットを提供できるという意味になるからです。
そしてその影響力、発信力は大きいものになると思います。
まさに私たちの取り組みは試金石となります。
懸念の資金調達も理解のある金融機関に巡り合い、公平にありがとうの種のビジネスモデルを評価してくれました。結果は満額での融資承認でした。この時ほど嬉しいものはありませんでした。
ここまで半年かかりました。
これも一重にありがとうの種に共感して有形無形の支援をしていただいた皆様のおかげです。
感謝してもし足りないくらいです。
恩返しは事業を通して社会貢献することで返していきたいと思います。
さあ、いよいよ新章に突入します。
乞うご期待を。