春日店(2号店)開業

4月5日。

この日、当法人は文京区、日本財団のご厚志を受けて−Social Café−Sign with Me × very berry soup 春日店(二号店)を開業しました。

日本財団

店を始めるに当たって、「絶対にやめよう」と思ったのは、趣味でやっているようなユルい店にすることでした。

利益が第一目的ではありませんが、店として経営がきちんと成り立つことがお客様からの評価だと考えています。

当事者問題を福祉ではなくビジネスで社会的価値を追求して5年目。
文京区、日本財団にこの心意気を評価してくれたと思っています。

かべ

折しも4月1日から『障害者差別解消法』が施行されました。
しかし私たちは楽観していません。あくまでも聴者優位社会における差別解消であり、「聴者の邪魔をしないこと」が暗黙の了解としてあると感じているからです。

この法律が実効性を伴うためには
当事者が自らイニシアチブを取っていくことが求められます。
そのためにも当法人はより存在意義を高めていかねばなりません。

文京区、日本財団からのご厚志を無駄にせず、誰もがありがとうをもらえる社会を目指して頑張ります!

これからも応援よろしくお願いします。

最優秀オーナー賞

今日は東京マラソンでしたね。
走りきれなかったら起業は出来ない!と背水の陣で臨んだのが懐かしく思い出されます。

そして5年後の今、先日行われたベリーベリースープ全国会合で「理念達成」を意味する最優秀オーナー賞という名誉にあずかる僥倖に恵まれました。

最優秀オーナー賞 表彰式

これもひとえに理念を具現化するスタッフ、そして周りの支えのおかげです。

おかげ様でありがとうの種は今年1月14日付を持って「一般社団法人」に移行し、社会的責任はより一層重くなりました。

しかし法人になったからと言って個人事業時代から底流にある精神は変わりません。

ろう者問題はこれまで「かわいそうだ」という上目線に基づいた「慈善アプローチ」や聴者が築いた社会への適応を求める「福祉アプローチ」が取られてきました。

これを私たちは「リハビリテーション」という名の下に矯正・訓練によって解決されるのではなく、社会的抑圧の除去に当事者としてビジネスで解決を試みようとしています。

そもそも、慈善や福祉によるアプローチで福祉漬けになる人はどうしても「何が与えられているか」にばかり着目します。他の誰かになりたかったり、羨んだりします。

このように受け身になればなるほど不平不満ばかり表明します。

そうではなく、自分自身とまっすぐ向き合い、身につけている自分の能力をどう使うかに注目するようにしています。足りないものがあれば、自らどうやって補うかを考えます。そこに不平不満は存在しません。

これは法人以降も揺るぎのない精神性としてこれからも存在し続けます。

桜が満開になる頃、当事者による当事者のさらなる雇用創出を目指して二号店を開業します。

これからも当法人の行く末を見守って頂けますと幸甚です。

セカンドステージへ

シフトチェンジ

12月1日。ありがとうの種が生まれて4年。数えで5年。
今年も無事にこの日を迎えることが出来ました!

これもひとえに、創業以来お客様をはじめ、多くの方々のお力添えあってのことと、改めて御礼申し上げます。

弊団体はいわゆる『障害者エリート』を支援する組織ではなく、平凡の凡な人が『ありがとう』をもらえる社会を目指して創った組織です。

何よりも『一人の百歩より百人の一歩』の方が社会に及ぼす影響は計り知れないものがあるからです。

一方で私たちは創業にあたって「してあげる〜してもらう」という『福祉漬け』の否定からスタートしています。

福祉は社会性ばかりにフォーカスが当てられるため、経済性を伴わずに途中で息切れするケースが散見されます。

だからこそ、ビジネスでしっかりと儲ける仕組みを作り、社会に還元していく組織を目指しました。

このように『自ら問いを発し、自ら答えを求めつづける意思こそが世を拓く力を持つ』を胸に刻んで脇目もふらずに走り続けてきました。

おかげさまでこの度ギアを1段チェンジし、創業期のファーストステージから基盤固めのセカンドステージに移行させていく目処がたちました。

具体的にはありがとうの種を一般社団法人にし、より強い組織にして行く予定です。

設立はもう少し先になりますが、今後とも皆様のお役に立てるとなるよう、ますます精進してまいる所存でございます。

今後ともなにとぞご愛顧のほどをよろしくお願い申し上げます。

4年後のキャンプファイヤー!

キャプチャ
この度、-Social Café- Sign with Meの取組がCAMPFIRE mag.に掲載されました。
リンク→公用語は手話。『-Social Café- Sign with Me』で美味しいスープを
サイト

このクラウドファンディングサービス大手のキャンプファイヤーとの出会いは4年前に遡ります。当時、私は社会問題を周りとどう共有して行けば良いのか、どうしたら理解し合えるのか、悩みに悩んでいました。

ろう者はコミュニケーションの違いからどうしても社会と問題を共有し合うのが困難です。

共感を広げるサービスに出会ったのはまさにその時でした。その興奮ぶりは当時のブログにも綴られています。

4年ぶりの邂逅。改めて共感を広げるビジネスの素敵さに思いを馳せています。

思えばこの4年は走りっぱなし。人生の中で一番密度の濃い4年だったと思います。気が付けば事業もファーストステージからセカンドステージに移行を始めようとしています。

思えば遠くまで来たもんだなとつい言葉にしてしまいそうな自分がいます。でもまだまだ走れる足は残っています。どんどん人生を駆け抜けていきたいと思っています。

これからも応援よろしくお願いします。

毎日新聞に掲載されました

毎日新聞に私たちの取組が紹介されました。
150929毎日新聞

9月は障害者雇用支援月間ということもあって取り上げていただいたようです。色々なメディアでも障害者雇用の特集が組まれていますが、「ダイバーシティ」という言葉がたくさん出てきます。

ただ、「ダイバーシティ」はどちらかというと「働きやすさ」を軸とした考えで取り組んでいるところが多いように思います。

「ありがとう」をもらえる社会を目指すスタンスとしては、物足りなさを感じるのも事実です。

ありがとうを漢字に表すと「難が有る」ですが、人のために汗を流すことで感謝される意味であり、社会と繋がれる瞬間でもあるのです。

だからこそ、「働きやすさ」よりも「働きがい」を私たちは希求しています。

困難な道のりですが、社会と繋がっている実感は何にも代えがたい喜びなのです。これからも頑張ります。

地球の裏側から取材がやってきました!

こんばんは!
中秋の名月ですね。あいにく雲がかかってここからは拝めません。
残暑どころか一気の秋に夏の苦手さを実感する間もなく寂しさを覚えるこの頃です。

先日、地球の裏側から約18,000kmの距離をはるばる超えてテレビ取材がやってきました。これまでにも台湾やアメリカから取材がきましたが、ブラジルからは初めてです。

取材者は「TVグローボ」というブラジル最大の放送局で日本で言えばNHKみたいなものでしょうか。

制作しているニュース番組『Bom Dia Brasil』にブラジルの障害者の日(9月21日)に合わせて−Social Café−Sign with Meが紹介されました。

地球の裏側にまで注目されるのは非常に光栄です。

手話者が働く飲食店は世界中にたくさんありますが、−Social Café−Sign with Meがこれだけ注目されるのは多分に、ありがとうの種が掲げる「当事者問題は当事者自ら動かない限り本質的解決にならない」というオーナーシップの精神性をビジネスで追求していく取組みが他に少ないからではないでしょうか。

福祉という制度や手法を否定するわけではありませんが、やはりオーナーシップを持って社会問題に取り組むなら、ビジネス手法を用いる方が可能性は広がるように思います。

あくまでも一つの回答ですが、愚直に当事者問題に向き合いながら最適解を目指して頑張ります。

なぜできない? ではなく どうしたらできる?

こんにちは。
早いもので今年も折り返しですね。

先日は-Social Café-Sign with Meの第2四半期スタッフミートを行いました。
スタッフが一同に集まることはなかなかないので新鮮なひと時でした。
スタッフミート

「挑戦なくして成長どころか現状維持はありえない」

この危機感をスタッフたちとどこまで共有できるか心配でしたが、ふたを開けてみれば杞憂に終わりました。

僕の心配をよそに問題課題を見つけては解決策をどんどん提起していました。
本当に頼もしい優秀なスタッフたちです。嬉しさのあまり、笑みがこぼれそうになりました。

持続可能性を追求する組織をつくるためには自らが自発的に提案し、チャレンジしていく環境や風土を形成していく必要があります。

その工夫のひとつに「どうしたらできる?」アプローチがあります。

スタッフたちは過去に聴者に合わせた働き方を求められるあまり、問題課題に対して「なぜできない?」という自責の念に駆られて自分の持つ本来の力を出しきれなかった苦い体験を持っています。

ここでは「なぜできない?」という原因思考で捉えず、「どうしたらできる?」という未来や解決思考によって意思決定を促すことでモチベーションを引き出すようにしています。

働くとは文字のごとく「人のために動く」行為です。「自分が必要とされる喜び」こそがありがとうの種が目指す方向です。

7月13日からSocial Café Sign with Meも朝カフェという新しい試みにチャンレンジします。少しでもお客様の笑顔が増えるようにと頑張るスタッフたちの取組にぜひ注目してください。

今後もどうぞよろしくお願いします。

日本経済新聞に掲載されました

こんばんは!
ツツジが咲き誇る季節に台風はちょっと記憶にありませんが帰路は大丈夫でしたでしょうか?お怪我のないことを祈ります。

話は変わりまして、GW明けに「働きがい確保」の観点から−Social Café−Sign with Meが日経新聞に取り上げられました。

手話カフェが人気、障害者雇用で働きがい確保へ【日経新聞5月7日】
日経新聞記事

日本経済新聞に載るのはこれが二度目なのですが日本を代表する経済専門誌に取り上げていただくのは自信になります。

私の経験則から社会問題の解決はまず「オーナーシップ」からと常々考えているのですが、今回の取材者の中野円佳さんは女性問題にがっつり取り組んでいる方で当事者問題に対する取り組み姿勢には相通じるものがあり、なかなかに楽しいインタビュー時間でした。

オーナーシップという言葉が出ましたが、これは問題課題に対して“自分自身の課題”と主体的に捉え、強い情熱と責任感を持って取り組む姿勢を言います。当事者意識、参画意識の高さとも言えます。

往々にして人は問題課題に対して不平不満を並べ立てることはあっても解決に向けて行動する人は少ないように思います。

ありがとうの種は問題課題に情熱を持って取り組む人を応援する団体です。−Social Café−Sign with Meで働くスタッフたちは「働きやすさ」よりも「働きがい」で情熱と責任をもって業務に取り組んでいます。

そんなスタッフたちを私は誇りに思っています。
これからもスタッフたちが情熱を持って取り組めるように頑張っていきます。

 

選挙に思う

ご無沙汰してます。
毎年なぜか鼻風邪に悩まされるのですが今年もやってしまいました。
学習能力の欠如ですね。猛省です。凹みつつも通勤路の風景はこのしつこい鼻風邪の悩みを忘れさせてくれます。

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話しは変わりますが、先日の統一地方選聴では聴覚障害の議員が2名誕生しました。詳しくは以下リンクをご覧ください。

斉藤理恵氏
ブログ
やねたに敦子氏
ブログ

職域の創出をミッションに取り組んでいる私たちにとって非常にエポックメーキングな出来事です。

世の中は聴者によって作り上げられた社会です。
「声」で動く社会の中で「声」を用いず自律的に動くのは想像以上の困難があります。

政治も「声」を前提とした価値や制度で運用されており、選挙運動も「声」以外の行動には色々な制約があります。
その環境下で2名の議員が誕生したのは非常にすごいことです。

思えば当団体も飲食をフランチャイズで運営すると決めた当初は各方面から心配されました。
文化(価値や制度)が違うのに聴者とビジネスでコラボなんて出来るのかというようなニュアンスでした。

それが気付くと都内に手話で運営するカフェレストランがいくつも誕生するようになりました。当たり前になってきたのです。

それだけでなく町興しにSocial Café Sign with Meが一役買うまでに存在価値が認められるようになってきています。

本郷百貨店
本郷百貨店

おかげさまで東京大学をはじめとして名立たる大学や研究機関から職業選択や就労の在り方について色々な方々がリサーチしに来ています。

何度も述べてきましたが、当事者問題は当事者自ら動かない限り本質的解決は出来ません。でも方法が分からない人たちはたくさんいます。そのために当団体はロールモデルとして存在し続けます。頑張ります!

NHKで紹介されました!

気がついたら頬を撫でる風が鼻孔を刺激するこの頃です。
幸いにまだティッシュペーパーとお友達にならずに済んでいますが戦々恐々しています。皆様もどうぞご自愛下さい。

先週の話になりますが−Social Café−Sign with MeがNHKで紹介されました。
※ダイジェストこちら(前後篇に分かれています)
前篇 2015年3月1日(日)放送
後篇 2015年3月8日(日)放送

NHK

起業ストーリーを中心とした取材構成ですが、「手話者」の雇用創出を旗印に開業ということを再三強調しました。手話者が輝くステージは当事者の手でやらなければ実現しないとーーー。

ややもすれば、周りは聴者視点から「聞・こ・え・な・い」で私たちを推し量ろうとします。でも私たちにとって「聞こえない」とは当たり前のことであり、そういう概念は存在しません。決して「聞こえない」からの開業ではないのです。

同時に私よりも頑張っているスタッフたちを中心に話を掘り下げるようにお願いしました。放送を覧て初めて知ったのですが、嬉しい事にスタッフのひとりが働く喜びを実感出来ていると言ってくれました。オーナー冥利に尽きます。
スタッフ

あと、起業にあたっては資金やノウハウが必要になります。手っ取り早いのは家族やスポンサーによる援助ですが、−Social Café−Sign with Meは聴者とビジネスでコラボしながら資金調達しての開業です。これは全国でも初だと思います。

このように誰もがありがとうをもらえる社会を目指して4年目になりますが、都内だけでも手話カフェレストランがあちこちに誕生しています。

各地に蒔いた「ありがとうの種」が萌芽し始めたという手応えを感じています。お客様にとっても選択肢が増える、私たちにとっても切磋琢磨の関係を作れるという「当たり前」の状態が出来つつあります。

ひとりの手話者として嬉しいと同時に気が引き締まります。これからもスタッフたちと当たり前のことを誰よりもやりきりながら価値向上に取り組んでいきます!