2017年6月の記事

特性の理解を助ける存在を目指す

当たり前のように使える「社会資源」がろう者に使えない時、はじめて私たちは「障害者」になる。
共生社会の理念が広まった現在においても「障害者」にされてしまう状況はまだまだ残っている。

【電話絶対主義】

この言葉の下にろう者(聴覚障害者)は抑圧されてしまう。
いわば書記日本語(書く言葉)をメインにする人たちの排除ともいえる。

ICTが発展してきた昨今、メールやFAXは記録性の高さだけでなく、リアルタイムで対応できるようになっているが、それでも「電話絶対主義」は揺らがない。

つい先日、新規事業のテナント契約に際して、賃貸保証人にろう者を選出したところ、保証会社から電話ができない人は不適格者と通告された。

その対応も人格否定につながる言葉が出てくる等、とても筆舌に尽くしがたいものがあった。

怒りを抑えながら、粘り強く、会社の上層部に昨年4月スタートの「障害者差別解消法」を法的根拠とする違反性から働きかけたところ、会社側から認識不足と直々の謝罪を受け、今後の対応について話し合うことができた。

この話し合いが実現できた裏には近年普及している日本財団のモデル事業「電話リレーサービス」の存在が大きい。このツールを元に「合理的配慮」をキーワードに世の中の動向にみる支援ツールや社内研修の見直し等を提案した。

今回の件では、こちらが電話対応の代替手段としてメール・FAXなどを提案したが、相手方が対応策を講じず、門前払いをしたことが「不当な差別的取り扱い」に該当する。

しかしながらまだこの「電話リレーサービス」は、今回の案件を含めてまだまだ完全ではない。
個人情報の取扱いや緊急通報に関わる法整備がまだ進んでないからだ。

先日も愛知県の海難事故で「電話リレーサービス」によって救助されたニュースがあるが、緊急通報は命に関わる事柄であり、一事業者の手には負えるものではない。

「電話リレーサービス」は一事業者によるものではなく、国の行う通信インフラに位置づけられるべきものである。

実際、世界的視野に立つと日本はかなり遅れている。諸外国はユニバーサルサービス料金等で聴覚障害者が電話利用できるよう整備されている。

東京五輪を控え、日本も様々な特性に対応できる社会を目指し始めている。

そのために「特性の理解」がとても重要になってくる。理解しないことには先に進めないからだ。当法人はその理解を助ける存在を目指していく。

頑張ります!

 

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